動物生態学と音情景理解

野鳥の歌声解析は、動物行動学、生物音響学、ロボット聴覚、機械学習など様々な側面から、重要な問題として取組まれています。動物行動学的な側面では,人が耳を澄まして野鳥の種類,方向,時刻のメモを取り,これを基に集中力と時間を要する人手の解析が行われています。

 

このような解析方法は,人手であるがゆえに統制された解析結果を得ることが難しく,後から再度聴取して確かめることもできないという課題があります.近年,海外では野鳥の歌声を収集するプロジェクトが発足し,機械学習を適用した野鳥の種類識別研究が行われていますが,いずれもシングルマイク収録であるため,行動解析で重要な野鳥の位置検出までは考慮されていません。

 

ロボット聴覚、およびロボット聴覚と機械学習の融合によって、この問題への取り組みを行っています。複数のマイクロホンアレイを用いて、広範囲にわたって屋外でも音源の三次元位置を推定することによって野鳥の位置検出を行うことができる技術、教師データが少なくても学習ができる深層学習の手法を新たに提案することにより,歌声から野鳥の種類を聞き分けることができる技術などを扱っています。また,名古屋大学や京都大学の研究グループと共同で,これらを発展させ,野鳥の歌によるコミュニケーションを解析する研究も進めています。

主要論文

Back to Top