災害救助
災害が起きた場合,一般的には72時間以内に救助しなければ生存確率が大きく下がってしまうと言われており,迅速な要救助者捜索技術の確立が喫緊の問題です。この問題を解決するため,ドローンにマイクロホンアレイを搭載して,ロボット聴覚技術を適用することによって,ドローン自体の騒音や風などの雑音を抑え,要救助者の声などを検出し,迅速な人命救助に役立てようという研究を行っています。
これまでドローンを用いた要救助者捜索技術は,カメラやそれに類したデバイスを用いたものが多く,夜間や暗所,人が瓦礫の中にいるといった場合は,利用できませんでした。早稲田大学や熊本大学と協力して,全天候型マイクロホンアレイを開発し,ドローンに搭載することによって,リアルタイムで音源の三次元位置を推定,地図上に表示する,「音の見える化」インタフェースを実現しています。
また,システムで検出される様々な音の中から人に関係する音だけを聞き分ける技術も研究を進めています。近い将来,災害地での要救助者発見に本技術を搭載したドローンが騒音下でも利用できるようになり,レスキュータスクの有望なツールとなることを期待しています。